遠距離恋愛ゲイの独り言〜ふたたび

旦那と15年以上遠距離恋愛しているゲイのブログ。日常の些細な悲喜交々を気の向くままに。

心穏やかは続かない

勤務先の上司が変わり、職場環境が少し改善されたことは、以前ブログにも書いたとおり。新しい上司は温厚で話しやすい人。


ただ最近、

(この人も期間限定だから、もしかすると、全ての社員にいい顔したいだけなのかな?)

と思うようなこともちらほら…今回はそんな話。


勤務先は半官半民であり、ちゃんと仕事をしようがしまいが自然と回る、いわば役所のようなところ。

そのくせ働いている者の多くは、権利意識だけが異常に高い。見ているとつくづく人間は強欲だと思う。また時間に余裕があるせいか、退屈凌ぎに、「人の粗探し」「不幸探し」「足の引っ張り合い」ばかりする社員も少なくない。

その中のひとりに、Sという年配のアルバイト女性がいる。

彼女は10年ほど前、当時の役員のコネで入ってきた。

Sは来た当初から性格がキツく、自己主張が非常に激しいタイプ。

口を開けば他人の悪口、嫌味、皮肉を垂れ流し、撒き散らす。

彼女と社内で初めて会った時、あまりに悪意が顔に滲み出ていて驚いたものだ。


当時Sはちょっとした庶務をするだけで、大きな仕事は任せられていなかった。

だが入って早々、

「オフィスが寒過ぎる!仕事に支障が出る!自分専用のデスクヒーターを経費で買ってくれ!」と言い出し、あっという間に社内で悪い意味での有名人となった。

もちろんヒーター購入については、彼女が役員のコネということですぐさま実現。


採用時の触れ込みでは、「関西の有名女子大出身で、大手外資系で有能な役員秘書だった」らしい。

けれど、いざ働きだしてみると、正直Sは仕事が全くできず、電話応対も、パソコンでの資料作りも、ダメダメ尽くし。

それでも彼女は上に取り入り、次第にどんどん力を持ち始め、もっと大口を叩くようになっていった。

彼女と一緒に働いていた若い女性社員は、嫌気が差したのか次々退社。

Sはさらに調子に乗り、

「社員の出ている会議に出たい」

「事務員の採用面接に立ち会いたい」

「法人カードの貸与」「役職と名刺がほしい」など、周囲を唖然とさせるような暴言を吐き続けた。それはコネ役員が去っても全く変わらず。

どの部門の社員とも衝突し、転々と異動し続ける彼女。早い段階で手を打てばよかったのに、Sの上司がコロコロ変わることで、なし崩し的に契約更新が続いてしまった。


以前は一緒に仕事をしたことがなく、嫌な様子を苦々しい思いで傍観するだけだった。それが不運にも、数年前Sと一緒の部となった時、あまりの傍若無人な振る舞いに、堪忍袋の緒が切れそうになった。


若手社員を呼び捨て、顎で使う。何かこちらが頼もうものなら、必ず居丈高に口ごたえをする。そして決まって最後は、

「それだけの時給をもらっていません!時給上げてください!」と言い放つ。


多くの社員が年配のSを恐れ、ご機嫌取りをする中、上席の連中には、彼女を毛嫌いする者もいて、いくつかの悪行を理由に、何度かSを追い出そうという動きもあった。だが、そんな時はなぜか決まって彼女に「神風」が吹き、都度Sは難を逃れてきた。

世の流れも彼女に味方し、いつしか「年1回更新」から「無期雇用」に転換。

さらには、まもなく迎える60歳以降も「再雇用」の道が用意された。


人事部に自分が異動した時、今まで彼女が吹聴していた経歴「神戸の有名女子大出身で、大手外資系で役員秘書」が、全て嘘であったことも知った。もちろん口外は出来ない。


まともな人間は自主的に辞めたり、彼女に次々と追い出され、疫病魔だけが法に守られ居座り続ける…悪運が強すぎるのだ。


そしてさらに追い討ちをかけるようなことが…


最近、人事部の新しいボスが、

「ちょっと話がある」と自分を呼び出した。

実はその数日前にSがボスのところに来ており、嫌な予感がしていた。


会議室でふたりだけになると、ボスはこう言った。

「Sさんの時給のことだけど…」

 

(ああ、やっぱりきたか…)


役員のコネで来たことから、当初から驚くほど高額な時給で働いている彼女。

何かの専門職でもここまでは貰えないはず。

他の待遇だって社員とほぼ同じ。


それが新しい人事部ボスが来たことから、「待ってました!」とばかりにさらに自己主張し始めた。

まさかSの言うことを受け入れるような愚かなことはしないだろうと思ったが…


「労基署とかに駆け込まれると困るからさ、もう少し上げてあげたいんだ。ちょっと検討資料を用意してくれるかな」


新ボスの前で落胆のあまり、深い溜息が出てしまった。


(ああ、どうしてこんな理不尽なことばかり?)


家に帰って旦那に電話でこぼす。

すると、


「どこにでもそんな人はいるんだよ。考えても仕方ない。それよりGWの旅行計画でもして気を紛らした方がいいよ」


彼からそう言われも、すぐには気分は晴れない。

もう世の中がそういう流れになっていることは仕方ない。でも自分はそう理解が良い方ではない。いくら他人のことだからと思っても、簡単には納得出来ないのである。


今の世の中、特に政治の世界がそうだけど、

「悪い事をやった者、言った者勝ち」という風潮がある。


善人ぶる気もないし、正義感を振りかざすつもりもない。ただとにかく釈然としないのだ。


(世の中すべてがおかしくなっている)


そう思うのは自分だけだろうか?