遠距離恋愛ゲイの独り言〜ふたたび

旦那と15年以上遠距離恋愛しているゲイのブログ。日常の些細な悲喜交々を気の向くままに。

旧知のゲイ友メールに心乱される

1月になって、もう半分も過ぎてしまった。正月休みがあったことなんて、もう遥か記憶の彼方へ…すっかりいつもの日常に。それはそれでいいけれど、毎日眠くて仕方がない。

 

今自分が仕事の上で最も負担に感じていることは、「大勢の人の前で話をしなければいけない」ということ。

 

昨年は、勤務先の「人事制度改革」について、役員や外部関係者達に説明するくらいだった(相当苦労したけれど)。

それが今年は新しい人事部ボスの方針で、労務に関する改正やら何やらについて、あちこちで解説をするよう命じられた。

 

自分は昔から人前で話しをすることが好きではない。現在だって立場上仕方なくやっている。

今回は単なる報告ではなく、中身を勉強して理解しないと説明出来ない内容。

日中は他の仕事があるので、当然そんな時間はなく、やるとしたら平日の帰宅後か土日。

これがペイに反映されるものであれば、納得もいくけれど、それは一切無い。むしろ同じ役職でも何の負担もなく、定時で帰る外部から来た人間の方がはるかに高額な給与を貰っているという現実。

(ああ、何で自分ばっかり…)

いつも「理不尽」「不公平極まりない!」「都合良く利用されてる」って思うばかり。

………
その日も帰宅後、疲れた頭で資料を作る。

パソコンに向かっていると、1通のメールが届いた。

送り主は、昔2丁目で知り合った、ゲイ友のサワコ(騒がしいからサワコと店のスタッフが名付けたらしい)という男性から。

 

サワコとは、以前このブログにも書いたが、俳優の六角精児そっくりな、年配の超毒舌オネエさん。

広島の高校卒業直後から上京し、2丁目で遊んでいたという筋金入り。

自分が“2丁目デビュー”したての頃は、随分と遊んでもらったものだ(過去記事「2丁目で“ゲイ活”をしていた頃」参照)。

cherrybeargo.hatenablog.com
当時彼には三つ年上のお兄さんがいて、地元で小料理屋を経営していたそうだ。

そのお兄さんが数年前に突然病気で他界。

衝撃だったのは、サワコのお兄さんもゲイだったということ。死後遺品整理して分かったらしい。

派遣社員だったサワコはその後、痴呆症のお母さんが施設に入ったことから、契約終了を機に故郷へ帰っていた。

決してモテ筋でもないのに、臆することもなく毎晩2丁目で派手に遊んでいた彼。

どんな思いで東京を後にしたのだろうか?


もう彼とは会うことはなくなったが、毎年必ず正月明けしばらくするとメールを寄越すようになった。

「おそおめよ!元気かしら?ブス!」

彼はいつも人のことを何の悪気もなく「ブス」と呼ぶ。会話もメールもいつもオネエ言葉。初めて2丁目で会った時から変わっていない。


メールによると、地元に戻った彼は、アルバイトを転々とし、今は母親の入る介護施設で働いているとのこと。休みが殆どなく、正月休みも返上して働きづめだったらしい。

 「でもアタシ、母さんをいつもそばで見守る事ができて幸せよ」

彼にメールを正月以外に送っても、返事はすぐには来ない。来るとしたら正月明けの時だけ。

そう分かってはいても、昨年今の部署に異動した時は、辛いあまり、サワコにも近況と称してメールを送っていた。もちろん返信はなし。

年明けのメールにはそのことについても書いてあった。

「アンタ、去年異動したんだって?で、毎晩遅くて忙しいんだって?結構な事じゃない!今時、中年独身オカマを人事部の管理職としておくだなんて、あり得ないわよ!アンタ、子どもも奥さんもいないのに何が分かるの?家族持ちの気持ち分かる?なのにその仕事任されてるんだから、グダグダ言わずにせいぜい努力なさいよ!」

相変わらず辛辣かつ的確でもある。

「ねえブス、アンタは一体誰のために、何のために働いてるか考えたことある?もちろん家族がいる連中は、家族のためって言えるわよね。でもアタシ達オカマは?子どもがいる親達は、子どもが成長することで自分達が年取っていくことを実感するのよね。そいでもって、年取っても子どもが成長することで喜びを感じていくのよね。でも子どもがいないアタシ達って、年取ることで何が楽しみになるのかしら?」

サワコのメールはまだ続く

 「アタシは母親と猫のモコちゃんのために働いてるの。これだけははっきり言えるわ。じゃあアンタは?旦那のため?旦那のためならずっとそのままでいいのかしら?アンタには将来への覚悟がある?アタシにはアンタのメールからそれを全く感じられないの」


(誰のため?覚悟?それは……)


メールとはいえ、サワコからの畳み掛けるような問いかけに一瞬動揺してしまう。いろいろ反論もしたいところだけれど、返事は来年まで来ないだろう。


その時、スマホに旦那から突然メッセージが…

「俺は定年過ぎたら何処に暮らしたらいいのかな?」


(旦那も藪から棒に一体どうしたんだろう?

今日はみんな同じような思い悩み気分なのかな?)


今は目の前の仕事のことで頭がいっぱい。

何も考えられない。


(サワコも旦那も自分にどんな答えを求めているんだろう?)


さまざまなことが頭に浮かんでは消える。

でも明確な答えが出てこない。

 

サワコのメールと旦那からのメッセージを前に、ただ途方に暮れてしまったのである。