遠距離恋愛ゲイの独り言〜ふたたび

旦那と15年以上遠距離恋愛しているゲイのブログ。日常の些細な悲喜交々を気の向くままに。

男同士の外食

8月最後の週末、旦那がうちにやってきた。

いつも金曜日の夜に来て、日曜午後まで一緒に過ごす。その間は、何をしていても楽しい!

特に好きなものをふたりで食べる時間は格別だ。もう時間が経つのも忘れるくらい…


朝や昼は軽いものを一緒に作ったりするけれど、夜くらいは外でのんびり、少し「贅沢」をしたくなる。とはいっても、どうしても旦那は行き慣れた店を好むため、向かう先はだいたいいつも同じ店。

イタリアン、しゃぶしゃぶ、焼肉、寿司など、その日の気分によっていずれかをチョイス。


ふたりが好むのは半個室或いは仕切りのあるような席。そういう店は多少いい値段になるけれど仕方ない。


今でこそ行く店が定着したけれど、付き合い始めの頃は、随分あちこち店を巡ったものだ。

当時はやっぱり「他の客の目」を気にしてばかりいた。


(男同士で食事していると他の客が違和感を持つのではないか?)


(この人達ってゲイ?って思われて、好奇な目で見られるのではないか?)

など。


もう終わってしまった人気ゲイドラマでもそんな回があったよね?

お仲間なら誰しも一度はそんなことを意識したことあるんじゃないだろうか?

自分もそのひとり。


ふたりで食事をしている時は、楽し過ぎて全く周りが見えなくなってしまう。

さすがに「口にアーン」みたいなことや、「イチャイチャ」するようなことはしない。

けれど、つい話しが盛り上がり、個室でない場合、時々ハッと我にかえり、思わず周りの席を見回してしまう。


せっかくの楽しい時間に、周りのことなぞ気にしたくなくて、やっぱりある程度プライベートが保たれる席がある店ばかり行くことになる。自分としてはもっといろいろ行ってみたいけれど…


その日訪れたのは行きつけのイタリアン。

そこは女性の店長が切り盛りするこじんまりとしたところ。

料理はいずれもシンプルな美味しさのものばかりで、お酒の種類も豊富。もうかれこれ7年ほど通っている。

 

各テーブルが高めの仕切りで囲ってあるので、完全ではないけれど、隣席とは隔てられている(もちろんカウンターや普通の向かい合わせ席もある)。

 

ここのいいところは、スタッフが客にほとんど干渉しないこと。

 

長く通っていると、だんだん店の人がこちらを憶えてくれて、自然とあれこれ話しかけてくるようになる。

ただの挨拶程度ならいいけれど、

「お仕事関係ですか?」「奥さんは?」

「子どもさんは何人?」とか、あれこれ余計な詮索してくるのはすごく苦手。


それと最近、旦那がどこでもやたらに互いの写真を撮りたがるので、自分は店の人や他の客が気になって、つい顔がひきつってしまう。

 

その点この店は、写真を撮り合っていようが目もくれないし、関心も示さない(一度スタッフに旦那とのツーショットを頼んだこともあるくらい)。


女性店長が案内してくれたいつもの仕切りのある席に座る。

メニューを見て注文しようとした時、近くのテーブルから奇声が上がっていることに気づく。


「ヤダァ〜!マジでぇ〜」

「ありえなぁ〜い!」

「おいひぃ〜!」

「これ作りたぁ〜い!」


これ全て野太いオトコ達の声…。゚(゚´ω`゚)゚。


そう、二丁目の店では当たり前に耳にするアレ。でもここは二丁目でもなく近くでもない。


声のする席にそっと目をやると、タンクトップにハーフパンツのガチムチ5人組がいた。30〜40代くらい?みんな揃って短髪にラウンド髭。

見た目は野郎っぽいのに、ジェスチャーは大きく、動きもしなやか。


(やっぱり…絶対お仲間さんだ)


旦那まで気になったのか、


「“組合”の人達かな?(旦那はこういう言い方をする)」


そして注文を取りに来た女主人に向かって、


「何か近くでイベント?それともパレード?でもあったんですか?」


なんて尋ねている。


すると女主人は、

「え?イベント?.....夏祭り??ですかね?」

とキョトンとしている。

どうやら全く通じていない様子。

 

その後も、なぜかそれらしき男同士のお客が次々来店。中にはムキムキ外国人の男同士のカップルも。

 

(ゲイ向けサイトで店が紹介されたのかな?)


いやいや、まさか!男女のお客さんも来てる。

でも見ている限り、事あるごとキャーキャー声をあげるお仲間軍団にも、見つめ合う男同士の数組のカップルにも、誰も別に関心を持つこともなく、みんな自分達の世界に浸っている。


(案外みんな他人のことなんて気にしてないし、こういう光景は普通になっているのかな?)


当たり前のことだけど、お店の女主人もスタッフ達も、奇異の目を向けることもなく、淡々と仕事をして、客に接している。

また自分達以外にも写真を撮りあっている男同士のカップルもいる。

何だか思わず笑顔になってしまう。

それはお酒のせいだけでない。


(やっぱりココは居心地がいい。こんなお店がもっとたくさん増えていったらいいのにな…)

 

長いこと通ってるけれど、見立ては正しかった気がする。

同じ空間にいろんな人達がいて、それぞれが幸せな時間を過ごしている。

これから食事がもっと楽しくなる季節。

 

(この店、ずっと長く続いてほしいな…)

 

その日はいつもより一層料理が美味しく感じたのである。