遠距離恋愛ゲイの独り言〜ふたたび

旦那と15年以上遠距離恋愛しているゲイのブログ。日常の些細な悲喜交々を気の向くままに。

現実は映画のようにはいかないけれど…

仕事で行き詰まったり、人間関係などで気分が落ち込んだ時に必ず観る映画がある。

マイ・インターン

ロバート・デ・ニーロアン・ハサウェイ主演のハートフルコメディだ。

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ネットファッション企業の若き女性社長(アン・ハサウェイ)のところに、40歳以上も年上の70代の男性(ロバート・デ・ニーロ)がシニア・インターン(社員見習い)として採用される。最初その女性社長は彼に全く関心を示さない。だが社長が仕事や私生活において行き詰まるたび、次第にインターンである彼の言動から励まされ、生きるヒントや力を得ていくという。

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見終わってみると全て予定調和で、ドラマティックな展開もなく、善人しか出てこない単純な物語。でも通してあたたかな気分になり、心地良い余韻に浸ってしまう。

それぞれの立場や年齢を超え、互いに尊敬し合える関係っていいなって思える作品。

音楽がすごくいい!特にエンディングに入る曲が好き(サントラ盤を買ってしまったほど)。


現実は映画のようにはいかないけれど、仕事上で、そっと背中を押してくれるような人が居てくれたらな。

…………

先週金曜日の夕方のこと。

自分はある人と会うために、「COREDO室町」の中の和食屋さんに向かう。


オフィスを出る際、「まだ6時前なのにもう帰るのか?」というような同僚らの冷たい視線が突き刺さったが構わない。


(今の職場で頑張らない、しがみつかない。早々にここを脱出する!)


自分の中でそう決めた時、信頼出来そうな外部の知り合いの年配者数名に今の状況を話し、アドバイスを受けることにした。


自分は以前から私的なことをあまり他人に相談したことがない。

私的な相談をする上で、自身のこと(未婚だということなど)を話したりしなければならないのが厄介だから。

それと人をアテにする、他力本願みたいな考えが嫌で…


なのでこれまでも人生における選択は殆ど自分の考えだけで動いて決めてきた。


でも最近旦那のすすめもあって、


「人生の先輩から話や客観的なアドバイスを聞くことは大きな意味があるかも…」

と思い始めている。


今回はこれで3人目。

実は最初に会ったふたり(もちろん別々に会った)からは、


「一時の気の迷いで、変な気を起こして辞めたりしてはダメだよ!」

「チャンスだと思って、そこでもうひと花咲かせなよ!」


予想どおり至極真っ当なアドバイスを受けた。そりゃそうだ。普通はそう言うだろう。


今日会ってもらうAさんは70代半ば。

自分が勤務している会社の外部アドバイザーで、かれこれ10年くらいお世話になっている。

とにかく面倒見がよく人脈も広い。

仕事ではこれまで優しく、そして時には少し厳しく支援してくれた。

いつも明るく、会うと楽しい気分にしてくれる。好々爺とはAさんみたいな人を言うのだろう。


Aさんは立場上よく職場の状況を知っており、

「安定してるけど、外からどんどん人が入って中は酷くなる一方だね」

と折にふれ、心配してくれていた。


そんなAさんと食事をしながら、4月に異動して今に至る経緯や現在の状況などを全て打ち明けた(ただ「ここを出たい」とまでは言わず…)。


Aさんは、頷きながら暫くじっと何か考えているようであった。


(まあ、きっと慰められて終わりだろうな)


そう思いながら話し終えた。

だが、Aさんの口からは意外な言葉が発せられた。

「あなたは職場に満足してそうだったから言わなかったけど、実は前にある会社を紹介しようと思ったことあったんだよね…」


(えっ?)


今更ながらAさんがいろんなところに人を紹介したりするのが得意だったことを思い出す。


さらに

「◯さん(自分のこと)が本気ならだけど、そこを出る覚悟はある?」


と想像もしていなかった展開に戸惑いおぼえつつも、自分はAさんに向かってその場で深く頭を下げていた。

…………
それから2時間くらい話しただろうか。

食事の終わり時、Aさんは急に真顔になりこう言った。


「◯さん、あなたの話は預かったよ。ただ何でもそうだけど、結局は“縁”だからね。“短気を起こさず根気よく機会(チャンス)を待て”って、いつも私は若い人には言うんだよ。それからいつも明るい笑顔はこれからも絶やさないようにね!やっぱり“笑う門には福来る”って言うだろ?」


当たり前の言葉ばかりのように思えるが、何故か今は心に染みる。


「短気を起こさず根気よく機会(チャンス)を待て」


帰り道、Aさんから言われた言葉をひとりそっと繰り返し唱えてみる。


まだまだこの先どうなるかわからない。

でも話を聞いてくれて、理解を示してくれる人がいたことがとにかく嬉しかった。

 

そして映画のエンディングのように、一筋の光が見えてきたような気がしたのである。