遠距離恋愛ゲイの独り言〜ふたたび

旦那と15年以上遠距離恋愛しているゲイのブログ。日常の些細な悲喜交々を気の向くままに。

その一言だけで…

「週末そっち行っていい?」

と旦那から電話がきたのは、ようやく風邪が治りかけた頃。


「あ…うん、いいよ」


一瞬、間を置きながらも了承する。

実を言えば、まだ身体が怠く、実家にも呼ばれていなかったので、週末はひとりでゆっくり過ごしたかった。

彼が来るとなると木曜の夜からずっと一緒に居るわけで、自然とあれやこれやとやらなければならなくなる。

普段なら嬉しいはずが、体調不良の今、本音は違うところにある。寝るときなんて特に…(過去記事「いつも一緒がいいとは限らない」参照)。

cherrybeargo.hatenablog.com


旦那はマンションに来て早々に、


「コーヒー淹れて!」

「風呂入ろう!」

「後でマッサージして」


と次々と言い出す。


「ハイハイ、順番にやるから待っててね~」と返事をしつつ、


(まだ風邪が完全に治ってないんだけどね…)

と、小さなため息をついてしまう。


そして自分も急に小うるさくなるんだ。


「手は洗った?うがいもだよ!」

「洗面所はびしょびしょにしちゃダメ!」

「裏返しに脱がない!」

「ゴミは分別して!」


あ~!まるで親にでもなったような気分。

何で10歳以上も離れた旦那にこんなことばっかり言わなきゃならないんだ?

彼は自分の家では割合几帳面に生活するくせに、うちに来ると縦のものを横にもしないくらい横着になる。

少し自分のことは自分でやらせよう!


先に風呂を出た旦那の後、風呂掃除を終えた自分は、


「あのね…今度からさ~」


とリビングに居る旦那に声をかける。

しかし…返事がない。


「ねえ!聞いてる?」


どうやら寝室に行ったらしい。


「んぐぁああああ…」


ベッドの中央で、大イビキをかきながら寝込む旦那。


(ったく…もう寝てる!)


片付けを終え、旦那を起こさないように同じベッドの端に入る自分。


(狭い!枕もふたつ取られた!)


翌朝、すごく不機嫌な自分。

休みの日くらい9時近くまで寝ていたいのに、旦那は朝が早いからだ。

今日こそ言わないと!


すると旦那から、


「今夜は君の好きな店、予約しておいたよ」


「え?ああ…」と自分。


また言うタイミングを逸してしまった。


朝食を終えて、ふたりで買い物に行く。

いろいろ買い込み、スーパーから出ると、旦那が珍しく、


「重いだろ?俺が持つよ」


とかなり膨らんだビニール袋をふたつ手にする。


(自分から言い出すなんて珍しいな…)


しかし、程なくして


「ああ!もういいよ!自分で持つから!」


とすぐにビニール袋を旦那から奪い取る。

別に持ってもらうのが悪くて…というわけではない。

何しろ旦那ときたら、歩きながらビニール袋をあちこちにぶつけまくるのだ。

瓶ものや卵とか割れたらどうする?


やっぱり任せられないや(ー ー;)

口数少なく家路を急ぐふたり。


夕飯は、予約してくれた店に行く。

自分の大好物である“しゃぶしゃぶ”だ!

急に機嫌が良くなる自分(^-^)

我ながら単細胞…でも今夜こそ将来を見据えていろいろ言っておかねば。


席に着き、オーダー後に意を決する。


「あのね、昨日から考えてたんだけどさ、今度から…」


その時、突然旦那がショルダーバックから小さな包みを出し、自分に渡す。


「ん?これ何?」


「君の誕生日プレゼント。もうすぐだろ?」


そう、今月は自分の誕生月。

でもその日は週中であり、出張もあり、しばらく会えないことが分かっていた。


(なるほど…それで今回突然来たいと言ったんだ…)


プレゼントはBoseの「ワイヤレスイヤホン」。自分が最近欲しいと言い続けていたものだ。


「いつもいろいろありがとう。今日は荷物のことゴメンな。これからもふたりで楽しくやっていこう!」

いつになく真顔で言う旦那。


「…ああ、うん…ありがとう」


自分はただそう言いながら頷くしかなかった。


誕生日プレゼントが嬉しかったのは事実。

でもそれ以上に、


“ありがとう”


月並みだけど、何よりもその一言が、心にグッと響いたのである。


(今日はもう何も言わずにおこう)

 

いずれ徐々にそういう方向に持っていけばいいのだ。


(旦那の方が一枚上手だったかな?)


そんなことを考えているうちに、夜は深まっていった。