遠距離恋愛ゲイの独り言〜ふたたび

旦那と15年以上遠距離恋愛しているゲイのブログ。日常の些細な悲喜交々を気の向くままに。

こそばゆい思い出

年を重ねていくと、些細な事で落ち込んだり、自信喪失する時が多々ある。

 

例えば、

「仕事が思うようにいかない」

「上司や部下とうまくいかない」

「家族や恋人ともケンカばかり」など。


(はぁ~どうして自分だけ…)

 

全てが嫌になる。

憂さ晴らしでもしたい。

そんな時はどうするか?


ノンケのおじさんの場合、女性が接客してくれる店に行くというのも、一つの手段であろう。

金さえ払えば、ウソでもお世辞のひとつやふたつも言ってもらい、慰めてくれる(らしい)。

 

自分ならどうするか?

そう、二丁目に自然と足を運んでしまうのである。


旦那と付き合う前は、いろんな店に頻繁に通っていた。

その店のひとつが、口の悪いマスターがひとりでやっていた小さなショットバー

行くと決まって、

「あらブス!いらっしゃい!」と声をかけるスキンヘッドのマスター。

“ブス”と言われて嬉しい人はいないはず。

最初は戸惑ったけど、「二丁目では挨拶みたいなもの」と言われ、次第に慣れてしまった(^^)


当時マスターは劇団を主宰し、年に一度?だったか、新宿の小さな舞台で芝居を上演していた。


実は、この店に通い始めた頃、マスターから


「ねえブス、芝居やってみる気ないかい?」


と誘われたことがあったのだ。


もちろんただの冗談だと思い、受け流していた。

だがその後も行くたびに、マスターは熱心に何度も声をかけてくれたのである。


当時、数人のゲイ友にこの話をすると口々に、


「冗談は顔だけにして頂戴!」

「そんな話を真に受けてバカよ!単なるお世辞よ!」

「通わせるための常套手段に決まってるじゃない!初めての客にはみんな同じこと言ってんのよ!」

「バケモノ役でも探してたんじゃない?」

「きっと理想の超ブス役を探してたのよ!ギャハハ!」


散々な言われよう…彼らに話すんじゃなかった(-.-;)


まあいい。毒舌キャラのゲイ友ばかりじゃない(^-^)

もっとおとなしいゲイ友のTちゃんにも聞いてみよう。

Tちゃんは、自分と同い年。彼も自分と同じくひとまわり近く離れた旦那さんがいる。

いろいろ話も合うんだ。


Tちゃんなら何て言うだろう?

(今思い返すと、当時自分はいろんな人にこのスカウト話?をしまくっていたんだな…恥ずかしい(^ ^;)

 

会って早々に話してみる。

すると、


「○ちゃん(自分のこと)は、俺と一緒で、決してイケメンっていう感じじゃないよね。

いい意味で、身近にいる庶民派タイプ。

親しみやすいキャラがいいんじゃない?」

 

Tちゃんはいつも相手を慮った言い方をしてくれる人。ホントは年上から好かれる所謂モテ筋。なのに「俺と一緒で」なんて、合わせてくれて、優しいな(^ ^)

 

「それと…」

 

(うん?他にもあるの??何かな?)

 

「○ちゃんは声が舞台向きなんじゃない?高くも低くもなくてさ」

 

(声?言われたことないな~いつも鼻詰まりみたいな感じなのに?)

 

声のことを言われたのは正直意外だった。


Tちゃんは、自分が気づかないところや、他人が何も言わないようなところを、美点として褒め称えてくれる人。

きっと自分は、Tちゃんから発せられたような回答を聞きたかったんだろう。


当時劇団には舞台映えするイケメンは何人もいたらしい。当然主役を引き立てるための俳優も必要なわけで…^o^


要は、

「平凡で地味な感じだから」ってことかな?


結局のところ、ホントの理由はよくわからないまま。

いつかマスター本人に直接聞いてみようと思いつつ数年が経過。もはや知る術もない。

なぜならそのショットバーは、少し行かない間に閉店してしまったからである。


二丁目の小さな劇団ではあったが、声をかけられたこと(たとえ冗談だったにせよ)に、当時少し心踊らせ、今となっては、こそばゆい思い出となっている。


その時は、

「こんな自分にも何か可能性があるかも…」

なんて思ったりもした。


昔ほど顔を出さなくなった二丁目。

でも些細なことで、落ち込んだりしたとき足を運ぶと、あの時のことを思い出す。

そして、店のマスター、スタッフ、他のお客達と他愛ない話しをするうちに、


「頑張ればまだまだ自分もイケるんじゃない?」


そんなことすら思い始め、気がつくといつの間にか、立ち直っている(我ながら単細胞(^^))

 

自分にとって二丁目という場所は、何年経っても現在を楽しめる場所であり、そして懐かしい思い出によって、元気付けられるところでもある。

 

エネルギーチャージに、また久しぶりに出向いてみようかな?