遠距離恋愛ゲイの独り言〜ふたたび

旦那と15年以上遠距離恋愛しているゲイのブログ。日常の些細な悲喜交々を気の向くままに。

ほろ苦い二丁目デビューの思い出

もう10年以上前のこと。

 

当時メールのやりとりをしていたブログ主さん(以下、Kさん)と初めて会い、二丁目に連れて行ってもらうことになった。


「てんや」で食事をし、6:30過ぎ。

店を出たKさんと、二丁目に向かう。


その店は、メイン通りから一本入った狭い道に面した小さなビルの二階にあった(現在は別の店になっている)。


Kさん曰く

「ここはスキューバダイビング仲間と何度か来た事があって、ママさん(正確にはマスター)は頭の回転が早くてとっても面白い人」だそう。


ヘェ~楽しみだ…イケメンいっぱい来るかな??(ワクワク)


外からは、開店してるのかわからない。おそるおそるドアを開けるKさん。


中は意外にも広い。

カウンターバーの他に、小さなソファが三つくらい。ピアノもあった記憶が…


まだ誰もお客さんが居ない(そりゃそうだ。だってまだ6:45だもの)。


灯りは点いているのだが、ママさんはおろか、スタッフも誰も出てこない…

うーん、なんで??


その時、カウンターの奥のドアが開き、大学生風のスタッフが顔を出した。

明らかに戸惑ってるのが分かる。

 

(早く入り過ぎたんだな…)


Kさんが軽く会釈したのだが、そのスタッフはにこりともせず、ただ

「まだオープンしてないんすよ…」

と言うのみ。


早く来過ぎたのは悪いけど、もう少し気の利いた言い訳したり、愛想良く対応できないのだろうか?

二丁目ってこんなもの??

いや、そうではないはず。


いろいろ思うところはあったのだが、結局出直すことなく、オープンまでソファで待たせてもらう事にした。

スタッフは奥で準備のためか、こちらに来るでもなく、当然何も出てこない。

居心地が悪い。


やがて、30分近く経った頃、ようやくママ…というかマスターが店に到着。


60代くらいだろうか。長めの白髪で、すらっと背が高くスリムな感じ。

ミッツマングローブをあと20歳くらい老けさせたようなタイプ。

しゃなりしゃなりと歩く姿が印象的。


Kさんの顔を見るなり、

「あらぁー!!久しぶりぃー!生きてたのぉ?」

Kさんのことを憶えていたようだ。良かった!

ふたりはしばらく近況を語り合う。


マスター曰く、

「うちはね、二丁目にありがちな、ガチムチ系とか、ナントカ専とか、店のカラーを決めずに、とにかく普通っぽさを重視してるのよ。あとね、スタッフもスレないよう、なるべくプロっぽい子は採らないの」


ヘェ~


マスターのゲイバー持論は、まだまだ続く(それはそうと…イケメン来ないかなぁ~)。


「あたしね、うちの子達(スタッフ)にいつも言ってるの、“嫌いな客やタイプでない客は、放っておきなさい!それなりの対応でいいのよ!作り笑顔なんておよしなさい”って、あははは~」


Kさんは感心しきりである。


え??

ちょ、ちょっと…


“嫌いな客やタイプでない客には、それなりの対応でいい???”


店が開くまでの、あのほったらかしぶり…


しかも、店開いても、マスター以外、スタッフ達は、Kさんと自分のところに一切来やしない。


これって…


(Kさん!感心してる場合じゃないよ!いいの?軽く見られてるんだよー!)


と心の中で叫ぶ。


二丁目最初の店でこれである…


やがて8時過ぎた辺りから、ちらほら他の客もやってきた。

「スポーツマンが結構来る」

というマスターの話のとおり、野球をやってるとかいう30代兄貴系が数名やってきた。


(ヤッター!)


こちらには挨拶すら来なかったスタッフ2名が、人が変わったようにイキイキと野球兄貴達を歓迎する。


もちろん、自分が兄貴達に話しかける隙なんぞない。


(二丁目に来ても、タイプでないと、こうやってあからさまに差別されるんだな~)


何となく惨めであった。


気がつけば、10:00近く…


相変わらずマスターとKさんは話し込んでいる。

野球兄貴らはとっくに帰り、スタッフは再び奥に引っ込んでしまった。


そろそろマスターとKさんの話だけ聞いているのも苦痛になった。

Kさんは殆どオーダーしないのに、まだ帰る様子がない。


(もう眠い…)


仕方ないので、「明日も早いので…」と、遂に一人で先に店を後にした。


Kさん、その節は、せっかく連れて来てくれたのに、大人げなくて、ホントにゴメンなさい。

悪いことしちゃったな~


二丁目デビュー、正直勝手に期待し過ぎてしまった。


帰り道、

(やっぱり二丁目は合わないかなぁ~多分、もう来ないだろうなぁ~)


なんて思ったりもした。


しかし後日このお店で、自分の“ゲイ活”の指南役となってくれた“サワコ”というオネエ様に出会い、二丁目通いが当たり前になるのである。

 

そんな風になるとは、この時は想像もできなかった。