遠距離恋愛ゲイの独り言〜ふたたび

旦那と15年以上遠距離恋愛しているゲイのブログ。日常の些細な悲喜交々を気の向くままに。

つかの間の至福

「東京の1日あたりのコロナ感染確認数が間も無く500人越え?」というニュースが日本中を駆け巡った時、自分は旦那と会おうとしていた。

最後に会ったのは、緊急事態宣言が出る前。

そして彼がこちらに来ると決まったのは、7月初め。


(こんな時に来させて、大丈夫だろうか?)


日々感染確認者が増えゆく状況に、内心不安が増していた。

自分が旦那のところに行こうかと思ったが、実家の親の術後状態を考慮し、やっぱり彼に来てもらうことにした。


約束の日、仕事帰りに東京駅で待ち合わせ。

この日が来るのを、どれだけ待ち望んだことだろう…

お互いマスク姿だけど、目の前に彼がいるだけで、嬉しさが込み上げる。


夜の食事は、ふたりでいつも行く店。もう随分とご無沙汰。正直、ためらいもあった。

店に着き、案内されたテーブルは、両サイド空席で、旦那と自分は横並びという不思議な座り方。さらに「マスクはなるべく外さない」「会話は最小限で」とか、注意書きステッカーがあったけど、ここだけの話、会食でそんなこと現実的ではないかもしれない。

ビールやワインを口にするのも久々で、ガンガン飲みまくる。


話すことが盛り沢山の中、やめようと思いつつも、つい今自分が抱えている仕事の悩みをこぼしてしまう。

「そのせいで、最近あんまり食欲が無い」と打ち明けると…

旦那はジッとこちらを見る。


ーーーん??


「その食べっぷりなら大丈夫じゃないか〜?」


ーーーえ????


気がつけば、目の前の皿に山のように盛られていた肉の半分以上が消えている。

食べたのは誰???


「君が話しながら、パクパク食べたんだよ」


ふたりで顔を見合わせ大爆笑。

あ、いけない…静かに話さないといけないんだっけ。


その後も、昔の旅行話やらで盛り上がる。

こんな楽しい時間を過ごしたのは、いつ以来だろう??

途中、旦那から渡されたお土産は、UNIQLOのエアリズムマスク。初めて見た!


酒も料理も堪能したところで、家路に急ぐ。


一緒に家に帰る相手が居て、ずっと自分のそばに居てくれる…旦那が来ていれば当たり前のようなことが、ただひたすら嬉しい。

その日は、疲れてすぐ就寝。


翌日は、少し遅く起床。

朝から猛烈に暑い!!

午後から鎌倉へ…そこはふたりが好きな場所。あちこち散策した後、鶴岡八幡宮へ参拝に向かう。


夏休みシーズンなので、沿道はさぞかし人で溢れているかと思いきや、あれ?そうでもない…

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お詣りの前に、「茅の輪くぐり」をする。

これは、茅で作った大きな輪をくぐることによって、心身を清め、無病息災、厄除け、家内安全を願う行事なんだって。

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早速ふたりでくぐってみたんだけど、順番間違えてしまったかも……汗

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そして、急な階段を上り、ついに到着!!

もう汗だく…熱中症になりそう。

どうにか参拝を終える。


段葛に立ち並ぶ店舗に、ブラブラ寄りながらゆっくり帰る。他愛ない話をしながら、ふたりで歩くだけで、幸せを感じる。


駅近くのレストランで、夕飯を済ませていくことに…まずはウェルカムワインで乾杯!

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紹興酒や料理ですっかり満腹。2時間ほどで店を後にする。


駅に着くと、やっぱり人が少ない。

電車に乗っても、一車両には自分と旦那以外は数名程度だ。


ほろ酔い気分で並んでシートに座る。

周りに誰も居ないことをいいことに、旦那の肩にそっと自分の頭をのせてみた。


彼の身体からは、焼き煎餅のような香りが漂う。自分は旦那の匂いが堪らなく好きだ。


旦那も頭をのせてきた。

すると、あらゆるストレスが自分の中からスーッと消えていく気がした。


(次に逢えるのは、いつになるだろう?)


翌日も一緒に過ごすのに、何故かもう次のことを考えてしまう。


(ああ、この時間が続いてほしい…)


つかの間の至福の時に、いつまでも酔いしれていたかった。

これからの人生の師

その日も、また職場のいざこざで気が沈んでいた。現在の出勤体制(在宅勤務ゼロ)に相変わらず異を唱える若い世代の社員達。連日群れをなして人事部にクレームをつけてくる。


トップにひたすらペコペコする自分の上司である人事部ボスからは、

「生え抜きの貴方がそんな輩をしっかり押さえつけないと…嫌な話は貴方のところで止めなさい!そういう調整が貴方の役割だよ」と叱責され、自分は年配の役員と若い社員の完全板挟み状態。


憂鬱な気分になりながら、帰りの電車の中で旦那にメッセージを送る。

すぐに「帰ったら電話して」とだけ返信がきた。


寝る前、彼に電話をすると、

「今、昔の青春映画を観てるんだよ。すごく面白いよ〜」


(お酒でも飲んできたのかな?)


「今の若い人は、昔の青春映画の主人公なんて、“熱苦しい”って、すぐ馬鹿にするけど、俺は好きなんだよ。ひたむきに頑張るというか、何でも自分ひとりでやり遂げる…そういう感じがいいんだよ」


(何の話だろう??)


「今は寄り合い、グループで頑張ろう〜っていう感じだろう?君の勤務先の若い人達みたいに。でも俺はひとりで黙々と頑張るのが好きなんだよ」


ーーどうしたの?急に…

 

「俺は若い頃から、何か困ったことがあっても、自分で何とかしようするタイプだったんだよ。勿論、周りの人の言うことにも耳を傾けながらね」

 

何だか自分がたしなめられてるような気がした。

 

「俺が育ってきたのは、そんな時代だったんだよ。世代が違うと物事の捉え方、向き合い方も全然違ってくるんだよ」


ーー世代のギャップ?


「そう。君の勤務先は少し特殊だけど、君が年配の上司と若い部下の板挟みになるのは、いつの時代にもどこにでも必ずあることなんだよ。それは管理職になれば誰でも通る道だよ」


ーーわかってるよ。だから辛いんだよ


「いや、そういう世代のギャップは、絶対埋められない。だから、それは割り切るというか、やり過ごすしかないわけさ。あれこれ考えても仕方ないんだよ」


ーーうん、そうだけど…


自分はまだ納得できなかった。

彼の話は続く。


「多くの人の場合、社会に出るまでに、“人生の機微”みたいなことを教えてくれる人が現れるんだよね。学校の先生とか、家庭では父親とか」


彼の言葉にハッとした。


亡くなった父親とは、子供の頃から相容れない関係だった。また学生時代も、恩師はおろか、そういう人間関係は希薄だった。自分はゲイと自認して以来、どこか人との深い関係を避けてきた節がある。


さらに、

「君が気の毒なのは、社会人になっても、ちゃんとした上司や先輩もいないまま、今に至るってことだよね。職場が少し特殊な環境だってこともあるけどさ。だから、君の今の役職で、いろいろな問題に直面すると、初めての経験ばかりで、動揺したり戸惑うんだよ」


旦那の言うとおりだ。

自分の職場は、ある時大きな動きがあって、外部から多くの人間が入ってくるようになった。それを機に、先輩社員が一斉に転職していった(自分もどうしてあの時…悔やんでも今更だ)。


「俺も、大学時代の先輩やゼミの先生、社会に出てからも、先輩をはじめ、大勢の人からいろんな経験談とか話を聞いて、その時は、ふーんっていう感じだったけど、今になってみると、なるほど!って気づきがあるよ」


ーー今更言われても…自分にはそんな人いないよ。


旦那は電話越しに咳払いをする。


「……離れていても、俺は君のことをいつも考えてるよ」


(ああ、そうだ…今、「人生の師」は、旦那なんだ)


「だから、あんまり職場のことでクヨクヨしないこと。どんなことがあっても、“こんなこともあるさ”くらいに、軽く受け流すようにしてごらんよ」


彼に諭されて、自分の弱さに恥ずかしくなるのと同時に、旦那の強い精神力に驚かされてしまう。


「大丈夫!年を重ねていくうち、いずれ胆力がついてくるから…」


彼には、ずっと教えられることばかりだ。

想定外のサプライズ

先日「ブログ開設から丸2年」が経過。

これから3年目に向けて、「ゲイ」「中年」「遠距離恋愛」という、相変わらず超マイナーなキーワードで、細々書いていこうと思ってた矢先、想定外のサプライズが…


それは、「ブロガーバトン」なるものの受け渡し。

え?バトン?何だろう?どんなもの?

突然でちょっとびっくり!

いろいろ「お作法」があるらしい…全然知らなかった。


1.バトンをくれた方

自分が普段読んでいるブログは、やっぱり「お仲間」ブログが多い。他には、どこか自分と「感性が近い」と思える方のブログが好き。

やっぱり、「遠距離恋愛」「人知れずの恋の悩み」などを綴っている方のブログは、自然と共感してしまう。

今回バトンをくれた方は、こちらのブログを書いている方。

ぼーさん (id:k2h1c0k2c0)

ぼーさんは、婚外恋愛中の女性。

秘密の相手に逢えない時の気持ちって、遠距離付き合いでなかなか逢えない気持ちと、相通ずるものがあるなって勝手に思っている。

k2h1c0k2c0.hatenablog.com

いまだ「普通であること」に強く憧れてしまう自分にとって、「家庭があること」、つまり旦那さんがいて、お子さんもいるなんて、ゲイの自分からしてみれば、ただただ羨ましい限り。

でも、ハタから見て幸せだと思える人の心にも、他人には吐き出せない、辛い想いが宿っていることだってあるだろう。

ぼーさんのブログは、そんな心の機微が、詩的にいっぱい綴られている。


2. ブロガーバトンの回答

正しい「お作法」は、まず下記のカードに回答するらしい。

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これはスマホからでは無理…なので、別のカタチで回答。


今更だけど

【自己紹介】

① 名前:ゴウ

② 年齢:おっさん

③ ブログ歴:ここで始める前、別のところで1年ちょっと、ここで丸2年。計3年くらい

④ 総記事数:107記事

⑤ 更新:不定期。思いついた時に書く感じ

⑥ ブログのジャンル:ゲイ雑記

⑦ ブログを始めたきっかけ:「遠距離恋愛」「中年ゲイ」など、他人に言えない気持ちを吐露したくて

⑧ ブログの野望:とりあえず丸3年目まで続ける?

⑨ ひとこと:時々ゲイでない人まで立ち寄っていただき、★やコメントまで…感謝!感謝!!


3.一番古い記事

 実はここで始める前にも数年前、別のところで同じタイトルで1年ちょっと、ブログを書いていた。ここでは書けないエッチネタ満載だった…

cherrybeargo.hatenablog.com

 

4.お気に入りの記事

照れくさいけど、旦那と出逢ったきっかけを書いたもの。思い返せば、若かった…今だったらあても無く空港になんて行かないだろうな〜

cherrybeargo.hatenablog.com


5.次のバトン先

正直、悩んでしまった。お仲間の中には、こういうのが嫌いな方もいたり、ありがた迷惑かもしれない。そこで、幅広く交流のありそうなこの方なら…

Tu and Aki (id:TuAki)さん

tuaki.hatenablog.com

TuAkiさんは、自分と同じく遠距離恋愛をされているお仲間。

TuAkiさんのお相手は、ベトナムの方。

超・遠距離!インターナショナル!

彼氏の話題以外にも、幅広い内容をブログで取り上げておられる。理系の研究者だそうで、さすが知的で理路整然とした文章ばかり。

TuAkiさんは、時々コメントや★をつけてくれる。

 

そして、もうおひとかたは、この方。

あきぱん (id:merry3happy3)さん

merry3happy3.hatenadiary.jp

 

あきぱんさんは、ある時たまたま立ち寄ってくれた方。以降、自分のブログに★やあたたかいコメントで元気をもらっている。

全く飾らぬ人柄で、いろいろ大変な経験をされているのに、それをさらっとブログに書かれている。あきぱんさんも、自分と同じく「遠距離恋愛」中だ。

 

おふたり共に、お忙しいことは百も承知。

なのでバトン、もし気が向いたら…

 

ブロガーバトンのおかげで、過去記事を改めて読み直す機会になった。

自分がブログを書いているのは、旦那と逢えない時間を埋めたい、想い出を綴っておきたい、想いを反芻したいという思いから。

 

この先いつまで続けるかわからないけれど、もう少し続けてみようかな…

とりとめのないあれこれ【4】

ここでブログを開始して今日で丸二年。

今回もお立ち寄りいただき、ありがとうございます。

更新のたび、もうそろそろ終わりにしようかと思いつつ、何となく続けてしまっている。

今日は、最近のとりとめのないあれこれ。


● キウイの樹

親の術後の世話もあり、しばらく実家に住んでいる。

父親が他界した後、庭に棚を作り、キウイの樹を二本植えた。

やがて枝が伸び、棚を葉が生い茂り、それが日陰となり、今の季節は暑さ避けになっている。

数年前から春には花がかなり咲くようになったので、今年こそ実がなるだろうと期待していたけれど……


知り合いの年配の植木屋さんに聞いてみると、翌日見に来るなり、


「あ、これ二本共にオスの樹だね〜男同士交わっても、実なんてならねえわけよ〜ワハハ」


きっと場を和ませようと、冗談のつもりで言ったんだろう。

でも自分自身のことを言われたような気がして、悲しかった。

一緒に聞いていた母親も深い溜息をついた。


だが、夕飯時に

「あなたに配偶者がいないことで、ずっと落ち込んでいたけど、今はいなくて良かったって思ってる。だって、いたらこんなに面倒みてもらえなかったもの…」


そう言われ、胸のつかえが少し取れた気がした。

同時に、親が入院する際、独身を卑下する自分に対して、旦那から、


「マイナスだと思ってたことが、プラスに転じることもあるんだよ。君のお母さんは君にきっと感謝しているはずだよ…」


そう言われたことを思い出した。

旦那は分かっていたんだな。


● 黒いジャージパンツ

夏になると必ず「男の素足にハーフパンツは目の保養!」と、しつこいくらい男の脚愛について、ブログに書いている。

自分は「脚フェチ」って言えるかもしれない。

 

そしてもうひとつ、見るとなぜか昔からドキドキするもの。

それは……「ジャージパンツ」。


ジャージと言っても、「何でだろう〜?」の二人組みお笑い芸人が履いているようなのではなく、黒に白いラインが入っているアレ!

そう、アディダスの黒ジャージだ。


最近はスリムタイプが主だから、下半身にフィットしてて、実にいい感じ(笑)

自分が履くのではなく、あくまで他人様の履いている姿を見るのが好き。

ジャージ姿は自分の性的な何かを刺激する。「ジャージフェチ」?(笑)


少し前のこと。

エアコンの手入れのため、近所の電気屋さんに来てもらった。

インターホンが鳴り、ドアを開けると…

あれ?いつも来る年配の小さなおじさんではなく、体格の良い若い男の人が立っていた。

どうやら、いつも来るおじさんの息子さんらしい。

ドキっとしてしまう自分。

なぜって?

だって、まるでレスリング選手のようなムキムキの身体!胸板は厚いし、二の腕も物凄く太くて、とにかく全体的に実にいい感じで、惚れぼれ。

普段そんな肉体は、近所の体育会学生を遠目に見るくらい。間近で拝む機会はまずない。おまけにヘアスタイルも超短髪。

そして極め付けは、上は袖なし黒Tシャツ、下は、なんと!!アディダスの黒ジャージ!

何だか妙にドキドキした気分になってしまう。


(やっぱり黒ジャージって、カッコいいよなぁ〜白いラインがフィット感を際立たせるんだな〜)


すっかりハイテンションになる。


だが、翌週のある日。

まだ在宅勤務中だったその頃、勤務先の会議がオンラインで行われることになった。


時間になり、zoomを立ち上げると、誰かがすでにINして、映っている。


サザエさんの波平父さんのような頭をし、白いタンクトップ(下着と言ったほうが適してるかも)姿の男。


……上司だ。


(会議の時は、カメラはOFFにする約束なのに!!)


見たくもないものを見せられ、急に気分が悪くなり、イライラした。


彼は自分がまだ映っていることに気づいておらず、ガタガタ何か準備をしている。


そして、彼がカメラの向こうで、突然立ち上がった瞬間、


(うわぁ〜!!!何で??)


大ショック!!!

な、なんと、自分の大好きなアディダスの黒ジャージパンツを履いているではないか!!


(大好きなジャージが汚される〜台無しだ〜泣)


ガリガリに痩せた上司のジャージ姿…絶対見たくなかった…

 

でも、わかったことがある。

自分はジャージが好きなのではなく、単に

「体格の良い男が履いてるから好き」って事を…やっぱりそんなものだよね。

 

オンライン会議中、終始不機嫌だったのは言うまでもない。

万年“女優”

ここのところ、自分も旦那も自炊することが多くなっており、電話ではもっぱら料理のことばかり。

 

ある日の夜、

「“ほうれん草入りラザニア”、旨そうだから俺も作ってみようかな…」という彼。

旦那は、若い頃から海外生活が長く、料理が得意だ。

 

最近の話題は、今更ながら、ドラマ『きのう何食べた?』。

旦那は、出ている漫画の全ての巻を持っていて、読破したらしい。

実写化が決まり、ドラマが始まる前の予告を観た際、

「漫画の“史朗” はこんな感じじゃない!」

と思って、放映していた間は観ていなかったという。

そんな彼が今頃DVDを購入してハマり、1話観るたびに、料理のこと以外にも、いろいろと感想を言ってくる。

 

自分は漫画は読まずドラマを観ていたんだけど、ずっと感じていたのは、

「とにかく賢二役の俳優の演技がとてもうまい!」

ってこと。

あの俳優は普段男っぽい雰囲気で、プライベートでも女性問題がいっぱいあったはず。

それでも、あのオネエっぽい役になりきってて、何気ない仕草もオーバーっぽくなく、全然違和感がない。


旦那に言わせると、

「上手く演じられるのは、その人自身と全く違うキャラだからじゃないか?」と。


ーーなるほど、一理あるかも。


旦那は続けてこう言った。


「君だって職場でやってるだろ?女優!(笑)」


ーーは???


「つまり、君は仕事中、普段の君とは全く違う人物を演じてるだろ?ってこと」


ああ、彼は少し前、自分が電話で同僚と話しているのを聞いて、そんなこと言うのだろう。


「面倒見のいい上司のふり」

「いつも穏やかな同僚のふり」

「物分かりが良く、従順(優秀ではないけれど…)な部下のふり」


職場での自分は、不思議なくらい、話し方や態度まで、普段とは全く別の、イメージする人物になりきって、振る舞って(演技して)いる(つもり)。

一体いつからこんな風になったんだろ?

 

実は、心の底では、勤務先のことなんて正直「ど〜でもいい」と思ってる。

だからすごく疲れる。


旦那は他にも面白いことを言った。


「お仲間って、“女優”が多いんだよ」


ーー女優?


「ゲイだと自認すると、他人にバレないように一生懸命ノンケのふりをするだろ?だから自然と演技が上手になる人が多いってこと」


うーん、言い得て妙だ。


本来の自分の姿は、やっぱり旦那にしか見せていないはず。

彼が言うには、一緒にいる時、自分はどこか甘えたような仕草や話し方をしてるらしい。

職場の連中が見たら驚くかも…いやバレてる?


「ところでさ…」


ふたたび、『きのう何食べた?』の話。


「あのふたりは、エッチする時はどっちがどの役か、知ってる?」

と笑いながら尋ねる旦那。原作漫画にははっきり書いてあるんだそう。

その答えを聞いて、ちょっと意外に感じた。


ーーやっぱりベッドの中ではお互いに「演技」するのかな?女優だから…


下世話ながらいろいろ想像を巡らしてしまうのである。

当たるも八卦、当たらぬも…

先日、髪を切りに行った時のこと。

いつもカットをしてくれる親しい理容師さんと、久しぶりに会ったこともあり、他愛無い話で盛り上がる。


そこへシェービングをするという、五十代くらいの丸々と可愛い感じの女性が受付にやってきた。


すかさず理容師さんが、

「あ、この方、有名な占師さんなんですよ。よく当たるって大評判なんです」

と女性を紹介する。

自分が会釈をすると、彼女はニッコリ返してくれた。


理容師さんが、いろいろ話してくれるけれど、正直、これまで占いなぞ全く関心もなかった。

なので、

「へえ〜面白そうですね」と適当に相槌を打っていた。


すると、

「もし、お時間あったら見てあげましょうか?」と突然彼女が言った。


え??と一瞬戸惑ったが、

最近気分が晴れないこともあり、思わず、

興味本位で「いいんですか?」とお願いしていた。


特に何か具体的なことを占うのではなく、近い将来起こり得ることを見るといい、タロットカードを使うとのこと。


受付横の丸テーブルにカードを広げる彼女。

何もかも初めてみるものだ。


カードの束を三つにし、その中から六枚を選び、六角形に並べる、

しばらくカードを見つめる彼女。


やがて、

「お仕事のことで、変化がありそうです。やる気が戻るような、大きな出来事が近々あるとカードが告げています」


(え?仕事のことで落ち込んでいるなんて、一切何も話してないのに…でも、大きな出来事って?ラッキーな転職?スカウト??)


始まる前、「占いなんて…」って思ってたくせに、いい事だけが頭を巡る。我ながら単純…笑

ただ、彼女の言葉を聞き、なぜか心が軽くなったような気がした。


彼女に、お代を支払いたいと申し出たが、

「これもご縁だから…」と、受け取ってくれなかった。


夜、旦那に電話をすると、


「サラリーマンは、大半が仕事の悩みを抱えているもんだから、そう言っておけば“当たった!”って思うんだよ。よく足裏マッサージとか行くと、必ず“胃か肝臓が疲れてますね”って言われるだろ?あれと同じだよ」


と笑い飛ばす。


「でもさ、君が少しでも元気になったのなら、それはそれでよかったよ」


そう、占いなんて、気持ちの持ちようかもしれないね。

当たるも八卦、当たらぬも八卦…いい事だけを信じたい。

7月からの憂鬱

先日、ついに県外移動も解除されたけれど、気分は高揚することもなく、むしろ滅入って仕方がない。

確かにこれで遠くに住む旦那と逢えるようにもなった。早く逢いたい気持ちは山々だ。

でも、今自分は親の退院後の世話で、簡単に身動きが取れなくなっている。

それに都内は、日々の感染確認者数は変わらず一定数おり、やっぱり感染リスクを恐れてしまう。

コロナは消えたわけでもなく、誰かの中に潜み毒性を増し、秋冬に感染爆発すると聞く。

そうなると、

「やっぱり移動すると危ないのではないか?」

「コロナは誰が持ってるんだろう?」

そんな他人への不信感も募るばかり。

もちろん自分も知らぬ間に、うつしてしまうかもしれない。


コロナ禍で分かったこと。

それは、この世の中がいかに不要なものばかりで溢れていたんだってこと。

自分の勤務先もそのひとつ。半官半民の会社は、正直なくなったって、誰も困らないだろう。やってる仕事なんて他でいくらでも代替がきくのに、無理矢理惰性でやっている感じ。

そう、一番の元凶は、職場のこと。

職位、上司、同僚、仕事の中身……要は全部嫌で堪らない。

そんな風に思っているのに、7月からはついに全面通勤再開。とにかく今はその憂鬱な現実が目の前にあるだけ。

これまで在宅勤務と時差出勤の併用だったけれど、もう一切廃止。全員がオフィスに出るようになる。

この方針は、トップをはじめとする役員連中の考えによるもの。

トップは、社員に対して表向きは、

「顧客サービスのため」

「やっぱり顔を合わせてコミュニケーションを」

なんて聞こえの良いことを言うくせに、役員連中には、

「在宅なんて社員を遊ばせているようなもの。散々サボってたんだから、もう十分だろう!」

「社員の動きもよく見えないし、すぐ呼びつけられない」

「コーヒー淹れてくれる女の子(いまだにこういう言い方をする!)もいない」

「高い家賃払ってオフィスを空にしておくのは無駄だ」

と言い出したことによる。

 

自分が所属する人事部のボスも同じ。

役員も兼ねる彼は、みっともないくらいトップに忖度ばかりの人。

前のボスも別の意味で酷かったけれど、去年外部から来た今のボスもやっぱり期待外れだった。

誰にでも温厚そうに振る舞うのは、単に八方美人なだけで、内心はそうでもなく、陰では高圧的なのが最近よく分かった。面倒なことに巻き込まれそうになると、決まって人に押し付けて自分は逃げ回る。

そのボスも、7月からの勤務体制変更について、自分には、

「家内に出かけてくれって言われてる」

「オフィスに来ないと運動にならない」

「帰りに飲みにも行けるし」

なんて言う始末。

そもそも役員らは、今時みんな車で送迎なんだから通勤途中の感染リスクは低い。そんな彼らが何を言っても腹立たしいだけだ。

どうして職場はこんな旧態依然な人ばっかりなんだろう?


社員の多くが、出勤したいかと言えば、そうでもなく、在宅継続派からは、ブーイングの嵐。

「もしも感染したら、人事部で責任取れるのか?」

「出勤させるなら、オフィスのレイアウトを全部見直すべき」

みんな外部から来た人間には言わず、自分にばかり無理難題を言いたい放題。深いため息ばかり。


これは、ブログにしか書けないけど、緊急事態宣言中の方が、息抜きが出来たと言うか、暮らしがどこか快適だった気がする。

それが、また急に目まぐるしく世の中が動き出し、もうついていけなくなっている。

これからはまた毎日早く起きて遅くまで仕事の生活。しかも猛暑の中、終日マスク。

続けられるだろうか?

もう何もかも全て投げ出したい。

 

ああ、もっと家の近くでのんびり勤務できたらな…在宅中、通勤時間分を利用して、前よりも料理をするようになって腕も上がったはず。

旦那と一緒に暮らし、自分が主夫だったら、楽しいだろうな…


沈んでいる中、旦那から思いがけないメッセージ入りのプレゼントが…

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「君の好きなグリーンティーの香りが復刻したんだって。どうせ出勤するなら気分良く…」

 

(憶えてたんだ…)


軽くつけてみると、懐かしい爽やかな香りが漂う。


(もう少し頑張れるかな…でも早くどうにかしたい)


7月からの通勤再開を前に、決意を新たにする。